実は持ってた方がいい?!ラーメン屋開業と調理師免許の深い相関関係
開業に調理師免許は不要でも必要となる知識とノウハウ
今や日本の国民食ともいえるラーメン。そんなラーメン店を開業するにあたり「調理師免許を持っていないと開業できないのでは?」と思う人も少なくありません。しかし、調理師免許は調理技術や食に関する知識を証明するための資格なので、
ラーメン店を開業するにあたり調理師免許は不要
となり、保健所から飲食店営業許可証を取得することで開業は可能です。
ただ、ラーメン店を繁盛させるためには集客が重要であり、美味しいラーメンを提供できる技術や知識が求められます。特にラーメン店ではスープや麺の作り方、具材の調理方法には工夫が必要であり、調理の経験やスキルが成功のカギを握ることになるのですが、そこで役に立つのが調理師免許。
調理師免許を取得する際には、
・調理技術と料理の基礎
・食品衛生学と衛生管理
・栄養学と食材の知識
・調理器具と設備の使い方
・食品の保存と在庫管理
・食文化と料理の歴史
・接客マナーと飲食業務全般の知識 など
さまざまな知識とノウハウを身に着けることとなります。
調理技術の向上はもとより、味の安定性やメニュー開発、衛生管理など、調理師免許取得のために学んだ内容はラーメン店の経営において役に立つこと間違いなし。
また、ラーメン店を成功させるためには、単に美味しい料理を提供するだけでなく、品質の安定性や法的な対応、スタッフの教育など、総合的な運営力が求められます。そのため、調理師免許を取得しておくことで、より強い競争力を持つラーメン店を作ることができるでしょう。
▼調理師免許試験は難しい?専門学校で学ぶ重要性を改めて認識しよう
素材や経営など調理師専門学校で学ぶ幅広い知識が有効活用
なお、調理師免許を取得するためには、過去記事「▼調理師免許受験に必要な実務経験とは?」でも紹介しているように、
1、調理師養成施設を卒業する
2、調理実務経験を積み、調理師試験に受験して合格する
の2通りあります。
ただし、効率的に学ぶなら調理師専門学校に通うことがおすすめです。学費の負担や時間的な制約は伴いますし、ラーメンに関することだけを学ぶことはできませんが、調理や食品に関する基礎から応用まで幅広い知識と技術を学びます。また、学科やコースによっては経営に必要な知識を学ぶことも可能となりますので、調理師専門学校に通うことは、ラーメン屋の開業にあたり、以下のように有効活用できると考えられます。
《素材選びと調理法》
ラーメンの美味しさを左右する最も重要な要素は「素材」です。麺、スープ、具材など、それぞれの素材をどのように調和するかで、ラーメンの味が決まります。調理師専門学校では、スープのベースとなる出汁の取り方や麺の作り方、具材の調理方法まで、基本的な技術から高度なテクニックまで習得できます。
《メニュー開発のノウハウ》
調理師専門学校では、メニュー作成に関する基本的な知識やノウハウも学べます。食材の組み合わせや栄養バランスを考えたメニュー作成のノウハウは、顧客の健康や満足度を考えたメニュー開発に活かすことができます。健康志向の高まりに対応した「低脂肪」「低塩分」「グルテンフリー」などのニーズに応じたラーメンの開発も可能となるでしょう。
《経営に必要な知識を習得》
ラーメン屋を開業するには、美味しいラーメンを提供するだけではなく、店舗運営において経営に関する基本的な知識が不可欠です。学校によっては、飲食店経営に必要な財務管理、コスト管理、売上管理なども学べるカリキュラムもありますので、経営に必要な知識を身につけましょう。
海外出店を目指すなら調理知識だけでなく規制や商慣習も!
今や世界的にも人気が高まっている日本のラーメン店の海外進出は、大きなビジネスチャンスともいえます。しかし、海外での出店は日本での開業準備よりも多くの事前準備が欠かせません。
たとえば、アメリカで飲食店を開業するためには、まず事業計画書の作成やビザの取得などから始まります。弁護士、会計士、ブローカーなどの力を借りながら進めていくことになりますが、現地法人の設立をはじめ、飲食店の営業許可を得るためにはビジネスライセンスや食品衛生管理主任認定書、消防許可や下水道使用許可などが必要となります。
また、世界各国では飲食店の衛生管理を徹底するための規制があり、食品の安全を確保するための基準が設けられています。これらの基準に従わないと、営業許可が下りないことや営業中に衛生違反で営業停止処分を受ける可能性もあります。そのため、調理師専門学校で学ぶ衛生管理の知識は、その基礎知識を築くと同時に、海外の規制を理解しやすくなり、開業準備にも役立ちます。
さらに、各国の規制や商慣習に対応するための知識も必要です。たとえば、海外の飲食店では「従業員の労働条件」「営業時間の制限」「アルコール提供の規制」など、日本とは異なる規制が課されていることがあります。契約に関する法律やビジネスマナーも国ごとに異なり、特にラーメン店のような接客を重視する店舗では、こうした商慣習の理解が欠かせません。調理師専門学校では、国際的な視野を広げるカリキュラムを取り入れている学校もありますので、これらを活用して現地での対応力を養うことができます。
このように、海外での出店には規制や商慣習に対応する必要がありますが、そもそもラーメンに必要な食材が揃わない可能性が高く、素材の代替を考える必要もあります。調理師専門学校では、ラーメンの基本的な食材や出汁の取り方を学ぶとともに、食材の特性や代替可能な材料についても知識を得ることができますので、現地で手に入る食材で本格的な味を再現する方法を考えられるようになります。地元の人々の味覚に合うようアレンジするための応用力も養われるため、現地のニーズに合わせたメニュー作りに役立つことでしょう。
いかがでしたか。ラーメン店を日本国内や海外で成功させるためには、調理師専門学校に通って調理師免許を取得しておくことが有利といえます。調理師専門学校での調理技術や衛生管理、経営などの学びを通じて、世界中で愛されるラーメン店づくりに、ぜひチャレンジしてみてくださいね。