入学試験の問題って難しい?試験内容に実技とかあるの?
専門学校に進学するのに必要な学力はどのくらい?
・プロの料理人になりたい
・料理を教える仕事をしたい
・病院や学校給食などの献立を作る仕事がしたい
というように、将来への希望が明確になっている人の多くは、そんな希望を叶えるためのステップとして、調理師専門学校への入学を考えていることかと思われます。
入試において最も気になることといえば、入試方法や選考内容、偏差値などがあげられますが、多くの調理師専門学校では
大学入試のような学力試験のない学校が多く、入試難易度は高くない
とされています。
というのも、大学と調理師専門学校では下記のように学ぶ目的が異なるため、
大学:幅広い知識や技能の習得、学問の研究
調理師専門学校:就職を目指しての、専門知識の習得と実践的な技能の習得
大学入試では各学校の水準の維持向上の観点により学力が求められますが、調理師専門学校では高卒以上または高卒認定の資格といった入学資格は必要なものの、
学力が求められることは少ない
でしょう。また、実技試験に関しても学校によりけりとなりますが、高卒で目指すコースでの実技試験はあまりありません。
学力や実技が求められないならば、誰でも入学できるのでは?と考えてしまう人も少なくありませんが、学力試験がなくとも、書類審査や面接を設けている学校が多く、
場合によっては不合格になってしまう
ケースも少なからずあるものです。
では、どうすれば調理師専門学校に合格できるのか、ここでは入試に関する選考内容や合格をつかむための準備についてお伝えします。
専門学校の入試の種類と選考基準
さて、調理師専門学校の入試には学力試験がない学校が多いとお伝えしましたが、実際に合格するための選考基準にはどんなものがあるのか、東京多摩調理製菓専門学校の2024年度の募集要項を基に入試の種類と共に見ていきましょう。
■入試の種類
・総合型選抜(旧AO入学):自分自身の目的を明確にして進学する入学制度
・指定校推薦入学:指定する学校からの推薦を得られる方の入学制度
・学校推薦入学:在学中の学校からの推薦を得られる方の入学制度
・自己推薦入学:意欲をアピールして入学を目指す入学制度
・一般入学:高校既卒者や社会人など、どなたでも入学を目指せる入学制度
・留学生入学:留学生の方を対象とした入学制度
■選考内容
・総合型選抜(旧AO入学):面接のみ
・指定校推薦入学:書類審査のみ(面接免除)
・学校推薦入学:書類審査・面接
・自己推薦入学:書類審査・面接
・一般入学: 書類審査・面接
このように入試の種類は留学生入学を含めると6種類あり、選考内容は主に書類審査と面接になります。なお、願書提出から合否の基本的な流れとしては
願書提出 → 面接 → 合否通知
となり、願書提出後に面接日時が決まります。 なお、当校の願書には名前や住所、学歴などのほかに審査質問票があ
り、
・調理・製菓・製パンの仕事に興味を持ったのはいつ頃ですか?
・今までにどんなものを作りましたか?(料理、菓子など)
・卒業後の進路希望を教えてください。
などの当校ならではの項目があります。こちらの項目は合否とは直接関係ありませんが、どのような経緯で進学を目指しているのか、どのような就職先を希望しているか、などを把握するための項目となっています。
何を対策すべき?合格をつかむための準備
大学に合格するためには学力試験に向けた勉強を行いますが、書類選考や面接のみの専門学校に合格するためにはどのような対策を行うべきでしょうか。基本的に合否の判断は、
書類選考よりも面接がメイン
となりますので、面接対策をしっかりと行いましょう。
面接では志望動機やこれまでやってきたこと、将来への希望などを問われることが多いため、まずは自己分析して、自分のことをよく理解するところから始めましょう。自己分析の方法としては
・自己紹介:あなたの性格(長所や短所)
・志望理由:なぜその専門学校に入りたいか、入学後は何に取り組みたいか
・将来のビジョン:就職先や卒業後の活動
・過去の出来事:これまでの学校生活などで頑張ったこと、最も苦労したこと
などをノートに書き出し、自分の情報を掘り下げいくことで、これまで気づかなかった本当の自分を新たに発見できるものです。自分ではなかなか書き進まない場合には、家族や親しい友人、学校の先生などから自分の長所と短所、すごいと思うところなどを聞いてみましょう。
自己分析が終わったら、実際に面接の練習となります。
なお、面接では志望理由などの質問に対する答えがポイントとなりますが、
・身だしなみ
・声の大きさ
・質問に対する答え方
も重視されます。食のプロを志すためには、清潔感のある身だしなみや姿勢、朗らかな笑顔は基本ですし、声の大きさはコミュニケーションをとるうえでとても重要です。
また、面接で質問されるであろう質問の回答は自己分析のときにまとめておくと安心です。中には、返答に悩んでしまう場合もあるかと思いますが、あれこれ変な言い訳を考えようとするのではなく、素直に「すみません、分かりません。もう一度お願いします。」といったように返答できるようにしておきましょう。
小さな声で「分かりません…」というよりも、はっきりとした大きな声で言うことで、「自分の意思をハッキリと伝えることできる人」と印象良く見えるものです。
なお、面接当日は緊張してしまい、手足が震えたり、頭が真っ白になったり、言葉に詰まったりしてしまう場合もあるかと思いますが、受験者が緊張しているのは百も承知です。しかし、練習の成果をいかしたいと思うならば、家族や友人に協力してもらって
自信が持てるまで想定問答を繰り返し行う
とよいでしょう。「どんな質問がきても怖くない!」と思えるようになれば、必要以上に緊張せずに済むものです。
長い人生において、入試というイベントは何回かしかありません。
納得のいく人生を歩むために、入試の準備を怠らずに前向きに取り組みましょう。