気になる授業内容や教材、カリキュラムを事前にチェックしよう
調理師専門学校ってどんなことを学ぶの?
調理師専門学校で学べることと言えば、「調理方法」が最初に思い浮かぶのではないでしょうか。
そのイメージの通り、和食・洋食・中華など、様々なジャンルの料理実習を行いながら、調理方法を学んで調理師免許取得を目指しますが
調理師専門学校で学べることはそれだけではありません!
調理師免許取得が可能な調理師専門学校は、厚生労働省によって基本的な授業時間数の割り当てと学習内容が定められています。
・食生活と健康90時間(3単位)以上
・食品と栄養の特性150時間(5単位)以上
・食品の安全と衛生150時間(5単位)以上
・調理理論と食文化概論180時間(6単位)以上
・調理実習300時間(10単位)以上
・総合調理実習90時間(3単位)以上
※出典:厚生労働省「調理師養成施設指導ガイドラインについて」(令和3年3月) https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000760153.pdf
上記のように、調理師免許取得のための学習は6つのカリキュラムで構成され、年間授業時間が実習時間420時間、講義時間540時間、合計960時間(32単位)以上と定められているのです。もちろん、そのなかには
調理実習以外の「栄養」や「衛生」といった座学も含まれています。
特に衛生に関しては、飲食業界にとって最大の注意を払う部分と言っても過言ではなく、調理技術を磨く以前に、
食中毒を予防するための方法などの“知識”を身に付ける
ことはとても重要なことなのです。
調理師専門学校では、このような食品衛生管理や衛生法規、そして栄養学や調理理論など、プロの調理師にとって必要な知識をしっかりと座学で身に付けることができます。そのうえで、実習では基礎から応用までの調理技術、食材の扱い方などを学んでいきます。
学校によってこんなに違う?!カリキュラムや実習時間の違い
冒頭でお伝えした規定の授業時間数は
調理師免許を取得するうえでので最低基準
として設けられているもので、専門学校によってカリキュラムの内容が多少なりとも違いがあることは言うまでもありません。そして、そのカリキュラムの違いが、それぞれの専門学校の特徴や強みであったり、はたまた就職先の違いなどにも反映されているのです。
各専門学校では、上記基準を満たしたうえでカリキュラムや実習時間数を決めているため、例えば
・“実践”に重きを置くため、実習時間を規定時間の2~3倍で組まれている
・どのジャンルでも活躍できるよう「和・洋・中」同じ時間配分での実習が組まれている
・インターンシップ制度として有名料亭やレストランなどでの実務経験が組まれている
といった具合に、その専門学校ならではのカリキュラムが組み込まれていたりします。
そのため、学校選びの際には
その学校がどの部分に重きを置いているのか?!
ということに着目し、専門学校が重きを置いている部分と自分の希望・やりたいことが合致しているかをよく考えて選ぶようにすると良いと思います。
なお、カリキュラムはホームページで確認できる学校もありますが、できれば実際にオープンキャンパスなどに行って直接先生の話を聞いたりすることで、さらに詳しい内容を知ることができたりもするのです。
オープンキャンパスや体験入学はまさに情報の宝庫
ですので、ぜひ積極的に参加するようにしましょう!
調理理論や顧客心理まで~実践で役立つカリキュラムの充実度をチェック
“実践に役立つこと=実習”というイメージを持っている方も多いかもしれませんが、調理の現場で役立つのは、
実習だけではなく、実は「理論」もとても大切です。
肉に火が通る適切な温度や誰もがおいしいと感じる塩分濃度などの料理にまつわる理論を学ぶことで、料理の基礎を築くことができ、「なぜその理論になるのか」ということを考えることで、料理に対する理解もさらに深まります。
また、調理師というのは、食べてもらう人、つまりお客様がいて成り立つ仕事なので、
「顧客の心をどう掴むのか」という知識も必要になってきます。
そのため、料理以外でも顧客の心を掴めるように、接客はもちろんのこと、顧客心理やテーブルコーディネート、製菓コースではラッピングなどを学ぶ授業がある学校もあります。
その他、海外研修や交換留学を実施し、それに合わせて語学の授業も行っている学校もあるので、将来的に海外で活躍したい人にとっては役立つカリキュラム内容でしょう。
このように各専門学校のカリキュラムは非常に多彩です! そして、調理師専門学校は数多くありますので、「どの学校を選ぶべきか」迷ってしまうこともありますが、学校選びを始める前に最初にやっておくべきことは
まずは自分がやりたいことをできる限り書き出すこと!
そして、妥協できる点とできない点に優劣を付け、それに合わせて学校のカリキュラムの充実度もしっかりとチェックし、自分のやりたいことに合った学校を選んでいくと良いでしょう。